2017年7月31日月曜日

レンギョウ

4月12日に清教学園で撮影したのがこのレンギョウです。清教学園では、武道場を通過したあたりにきれいに咲いていました。落葉性低木で、花弁が4枚なのが特徴的です。


2017年7月28日金曜日

コマツナギ

清教学園の通学路を上がって行き、ユキヤナギが植えられている辺りに「コマツナギ」という植物が見られます。コマツナギは「駒(馬)繋ぎ」から名前がついており、馬をつないでおけるほど丈夫であることから名前がついているそうです。草本のように見えるのですが、木本(低木)に分類されています。


コマツナギはマメ科です。マメ科の葉は「羽状複葉」になっているのが特徴です。コマツナギはその中でも「奇数羽状複葉」です。(以前ヤブガラシを紹介した時は「掌状複葉」と「鳥足状複葉」を紹介しましたね!覚えていますか??)



ノゲシ(タンポポ似シリーズ)

今回も「タンポポ似シリーズ」の植物を1つご紹介します。今までに、「ニガナ(ハナニガナ)」「オニタビラコ」などを紹介しましたね!…今回紹介するのは「ノゲシ」です。葉がケシに似ていることからその名前がついているそうですが、ケシ科ではなく、タンポポと同じキク科に属しています。
(清教学園で4/14に撮影)



〜タンポポとノゲシの違い〜
・ノゲシは1つの茎から複数の花が咲く(タンポポは1つの茎からは1つの花が咲く)
・ノゲシの葉は茎を抱いている。
・葉の縁が尖っている。

ちなみに清教学園で撮影したこの写真は、正確には「ノゲシ」ではなく、「オニノゲシ」です。ノゲシは葉のつけ根が尖っているのに対し、オニノゲシは葉のつけ根が丸くなっていて出っ張りがありません。


2017年7月27日木曜日

クサノオウ

今回は4月に撮影した植物の中から「クサノオウ」をご紹介します。クサノオウは「ケシ科」のグループに属します。麻薬の原料ともなる「ケシ」の仲間で、このクサノオウも有毒であるアルカロイドの成分を含みます。ただ毒草としてだけではなく、鎮静剤などの薬としても利用されます。そこから「草の王」の名がついたのかも知れませんね。(名前の由来には諸説あります)また、葉を切るとアルカロイドを含む黄色の乳液が出てくるのも特徴的です。

(写真は清教学園の通学路「しらかしの径(みち)」で4/13に撮影)



2017年7月26日水曜日

オニタビラコ(タンポポ似シリーズ)

以前に「カンサイタンポポ」と「セイヨウタンポポ」の見分けを説明し、さらにタンポポに似ている植物として「ハナニガナ」を紹介しました。今回もタンポポに似ている植物、「オニタビラコ」を紹介します。(写真は清教学園で4/7に撮影)

〜タンポポとの違い〜
①1つの茎から複数の花が咲く(タンポポは1つの茎からは1つの花しかつかない)
②花弁の先端には小さな切れ込みが入っている。(写真ではわかりにくいですが…)
③茎や葉を切ると白い乳液が出る。

「アキノタムラソウ」

最近は撮り溜めしていた4月や5月に撮影した植物の紹介が多かったですが、今回は「今」咲いている花をご紹介します。下の写真は本日7/26に清教学園で撮影した「アキノタムラソウ」です。アキノタムラソウはシソ科で、同じシソ科のホトケノザ、ヒメオドリコソウのように、茎の断面が四角、葉は対生、花は唇形花であることなどが特徴です。

また、以前ホタルブクロでも紹介した「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」がこのアキノタムラソウ」でも見られます。先に雄蕊(雄しべ)が成熟し、その後に雌蕊(雌蕊)が成熟します。(下の写真の花で、先端が黒くなっているものが2つついているのが雄蕊です。雌蕊はまだ成熟していないのか、少しわかりにくいですね!)


2017年7月25日火曜日

スミレ

今日紹介するのは4月に清教学園で咲く「スミレ」です。スミレの花は花弁が5枚で、上弁が2枚、両脇に側弁が2枚、下に唇弁が1枚あります。唇弁の基部は後ろにつきだして筒状になっています。この部分を「距(きょ)」と言います。距の中に蜜があり、昆虫が蜜を求めて距の中に入ってきます。距の中には雄蕊と雌蕊があるので、昆虫が蜜を求めて花を転々とする度に受粉が行われます。
(清教学園で4/7に撮影)

(清教学園で4/7に撮影)

色とりどりのパンジーもスミレの園芸品種です。
(4/14ハーベストの丘で撮影)

2017年7月24日月曜日

シャリンバイ

今回紹介するのは「シャリンバイ」です。常緑低木で、公園や道路脇でもよく見る植物です。清教学園では総合体育館から食堂に下りていく坂などで見られます。シャリンバイの名は、葉のつき方が車輪のようになっていることと、花が梅に似ていることから「車輪梅」の名がついています。


 (上の写真のシャリンバイは清教学園で5/20に撮影)


(上の写真はベニバナシャリンバイという品種で、
心斎橋の街路樹で咲いていたのを5/7に撮影したものです。)


オオキンケイギク(校外)

最近は「特定外来生物」に指定されているヒアリが、日本に定着しているかどうかが話題になっていますが、植物においても「特定外来生物」に指定されて問題になっているものがあります。それが「オオキンケイギク」です。(下の写真は清教学園近くの校外で5/14に撮影)

オオキンケイギクは繁殖旺盛で、在来種を駆逐してしまう可能性があり、「特定外来生物」に指定されています。非常にきれいな花を咲かせるので、何も知らずに鉢に植えている人もいるようですが、「特定外来生物」の飼育や栽培、運搬などは法律で禁止されており、違反すると罰則があります。注意して下さい。

2017年7月22日土曜日

「ムラサキサギゴケ」と「トキワハゼ

以前紹介したような「ホトケノザとヒメオドリコソウ」「オオイヌノフグリとタチイヌノフグリ」など、似たような植物はたくさんあります。今日紹介するのも非常によく似ている2種類の植物「ムラサキサギゴケとトキワハゼ」です。

ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)
・花の大きさは1.5〜2cm(トキワハゼよりも大きい)
・花弁の上唇の部分が深く切れ込んでいる(写真で切れ込んでいるのが分かりますか?)
・開花期は春〜初夏
・赤紫がかっている。
(清教学園で5/8に撮影)

トキワハゼ(ゴマノハグサ科)
・花の大きさは5〜7mm(ムラサキサギゴケよりも小さい)
・花弁の上唇の部分に切れ込みが入っていない。
・開花期は春〜秋(開花期が長いため、「トキワ(常盤)」の名がついている。
・白っぽい。
(堺市大仙公園で6/6に撮影)

2017年7月21日金曜日

ホタルブクロ

理科部のブログでも一度紹介しましたが、こちらの別ブログでもホタルブクロを少し詳しく説明しておきます。
本校のグラウンドに降りていく坂で野生のホタルブクロが咲いていました(6/17に撮影)。ホタルブクロはキキョウ科の多年草で、「ホタルを入れるための袋」として利用していたことからその名がついたそうです。関東では紅色、関西では白色のものが多いです。花は花弁が合着している花冠である「合弁花冠」であり、鐘型をしています。


またホタルブクロは両性花(雄蕊と雌蕊を合わせ持つ)で、雄蕊(雄しべ)が先に成熟し、雌蕊(雌しべ)は後から成熟する「雄性先熟」と呼ばれる仕組みを持っています。

〜雄性先熟って??〜
植物は雄蕊と雌蕊を持つ両性花が多いです。ただし、自分の花粉で受粉(自家受粉)してしまうと、遺伝子的多様性が低くなってしまいます。それを避けるためにいろいろな工夫があるのです。その一つが雄性先熟で、先に雄蕊が成熟し、昆虫に花粉を渡します。そして雄蕊がしおれてから雌蕊が成熟し、他からやってきた昆虫から花粉をもらって受粉します。(他家受粉)





ハナニガナ(タンポポ似シリーズ)

「黄色い花を咲かせる草本と言えばタンポポ」というイメージがあまりにも強いために、黄色の花を見ればなんでもタンポポと思ってしまう人が多いように思います。私が見かけた例では、公園で母親が子どもに対して「きれいなタンポポが咲いているね」と声かけをしているが、実際にはタンポポではなくブタナという植物であったり…。ノゲシ、ジシバリ、ニガナ、、タビラコ、ブタナなどタンポポに似た植物はたくさんあります。タンポポに似た植物を少しずつ紹介していきますね。

下の写真は「ハナニガナ」です。校内ではありませんが、5/14に私の家の周辺(堺市)の公園で撮影したものです。タンポポよりも花弁の数が少ないのが特徴です。ニガナは花弁の枚数が5〜6枚なのに対して、ハナニガナは7〜12枚あります。また花がたくさんつくのも特徴的です。

2017年7月20日木曜日

「カンサイタンポポ」と「セイヨウタンポポ」

今日の植物は「タンポポ」です。誰もが知っているタンポポですが、それでも在来種(ニホンのタンポポ)と外来種(外国から入ってきたタンポポ)の見分けをまだ知らない人もいるので紹介しておきます。

清教学園では在来種の「カンサイタンポポ」と外来種の「セイヨウタンポポ」が生育しています。
カンサイタンポポ(清教学園で4/1に撮影)
セイヨウタンポポ(清教学園で4/1に撮影)

簡単な見分け方は、総苞外片が「反り返っている」か「反り返っていない」かの違いです。反り返っているのが外来種(セイヨウタンポポ)で、反り返っていないのが在来種(カンサイタンポポ)です。

〜「総苞外片」って何??「がく」との違いは??〜
タンポポはキク科の植物で、1つの花に見えるのは花序で、小さな花(小花(しょうか))の集まりです。がくはもちろん1つずつの花(小花)につくので、花序を包んでいるのが「がく」というのはおかしいですよね?花序を包むのものを「総苞」、1つ1つを「総苞片」と言います。その中でも外側と内側の総苞片をそれぞれ「総苞外片」「総苞内片」と言います。

2017年7月19日水曜日

ヤブガラシ

下の写真は7/15(土)に清教学園で撮影したヤブガラシです。つる植物で、他の植物を覆ってしまうのでその名がついています。やっかいものとして扱われるヤブガラシですが、よく見ると、花は意外とかわいい姿をしていて、オレンジ〜ピンク色の花盤(かばん)を持ちます。(写真では小さくて分かりにくいですが…)
〜花盤とは??〜
花の柄(え)の部分を花柄(かへい)と言い、その先端を花托(かたく)と言います。その花托の上に、皆さんの知っているがく片、花弁(花びら)、雄蕊(雄しべ)、雌蕊(雌しべ)が外側から順についています。花盤はこの花托の一部が大きくなって突き出たものを言います。
ちなみに、ヤブガラシは掌状複葉(しょうじょうふくよう)と鳥足状複葉(とりあしじょうふくよう)どちらでしょうか??
どちらも似ていますが、1カ所から5枚の小葉が出ているのが掌状複葉で、2枚の葉のつき方が異なるのが鳥足状複葉です。ヤブガラシは鳥足状複葉の方で、こちらは限られて種でした見られません。

ユキヤナギ

また4月に撮影した写真から植物を紹介します。(春は多くの植物の花が咲くので、写真はあるけれどまだ紹介していない植物がたくさんあります。)下の写真は4/13に清教学園で撮影した「ユキヤナギ」です。有名な植物ですので、知っている方も多いと思います。雪が積もったヤナギのように見えることからその名がついています。庭木としてよく見られますが、自生しているユキヤナギは非常に少なく、近畿地方の準絶滅危惧種、大阪府の絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。


〜絶滅危惧種のカテゴリー分け〜
絶滅危惧種は絶滅のおそれの程度に応じて以下のようにカテゴリー分けされています。
絶滅危惧ⅠA類(CR(Critically endangered))…ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
絶滅危惧ⅠB類(EN(Endangered))…ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧Ⅱ類(VU(Vulnerable))…絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧(NT(Near threatened)…現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

2017年7月17日月曜日

「オオイヌノフグリ」「タチイヌノフグリ」


写真はオオイヌノフグリです(清教学園で5/1に撮影)。イヌノフグリという在来の植物があり、この植物の果実が犬のフグリ(陰嚢)に似ていることから牧野富太郎が命名しました。以前紹介したヘクソカズラと同様、ひどい名前のつけ方だと思うかも知れませんが、牧野富太郎は「植物学の父」と言われるほど有名な人物です。オオイヌノフグリは帰化植物で、イヌノフグリより大きいことからこの名前がついています。

そして下の写真はタチイヌノフグリです(清教学園で4/13、5/1にそれぞれ撮影)



イヌノフグリとオオイヌノフグリとタチイヌノフグリの見分け〜
イヌノフグリ・タチイヌノフグリの花の直径は3ミリほどしかないが、 オオイヌノフグリの花の直径は1センチほどもある。
・イヌノフグリやオオイヌノフグリは花柄が見られるが、タチイヌノフグ リは花柄が非常に短い。 

「シュロ」

清教学園正面入口からまっすぐ進んでいくと、校舎と校舎の間に大きなヤシの木が立っています。これが「シュロ」です。シュロは雌雄異株(しゆういしゅ)で、雌株は5月頃に黄色の粒状の花を咲かせます。
     (清教学園で3.26に撮影)         (清教学園で5/1に撮影)

      
     (清教学園で5/1に撮影)         (清教学園で7/12に撮影)  

清教学園にあるシュロは「トウジュロ」で帰化植物です。日本に自生するのは「ワジュロ」と呼ばれる種類です。トウジュロは葉が垂れずにまっすぐ伸びますが、ワジュロは葉が垂れるのが特徴です。

2017年7月16日日曜日

ベニバナトキワマンサク

4月に清教学園で撮影した「ベニバナトキワマンサク」をご紹介します。花はとても特徴的でリボン状の花弁が4枚つく花が、3〜5個集合して花序を形成しています。
(4/21に清教学園で撮影)
                (3/25に清教学園で撮影)

               (4/17に清教学園で撮影)

               (4/21に清教学園で撮影)

マンサク…春に先駆けて咲く「まず咲く」が名前の由来になったと言われている。
トキワマンサク…マンサクが落葉性なのに対し、常緑性であるので「常盤万作(トキワマンサク)の名前がついている。絶滅危惧種に指定されている。
ベニバナトキワマンサク…トキワマンサクの変種で、園芸として利用される。

2017年7月15日土曜日

植物図鑑「ヘクソカズラ」

今年度初めて「ヘクソカズラ」が清教学園の食堂裏に咲いているのを発見しました。(写真は清教学園で7/15に撮影)まだ咲き始めたばかりのようです。
昨年度、有川浩原作の「植物図鑑」が映画公開され、一躍有名になったのがこの「ヘクソカズラ」という植物です。葉や茎を折ると悪臭がすることから「屁屎(糞)カズラ」の名前がついているのですが、そのひどい名前とは反対に、非常にかわいらしい花を咲かせます。

「植物図鑑」の中では、「庭に草が生えて困る」という言葉に対して、昭和天皇の言を引用し、「『草という草はない。草にはすべて名前があります。』と昭和天皇は仰ったそうです」   というセリフがあるのですが、この昭和天皇の言葉は非常に素敵だと思いませんか?



草という草はないんですよ。どの草にも名前はあるんです。どの植物にも名前があって、それぞれ自分の好きな所をんで生をんでいるんです。(昭和天皇)

ヨウシュヤマゴボウ

下の写真は「ヨウシュヤマゴボウ」という植物です。ゴボウ(キク科)に根が似ているヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)という植物があり、さらにそのヤマゴボウに似ている帰化植物なので、「ヨウシュ(洋種)ヤマゴボウ」という名前がついています。よく目にする植物で、有毒植物としても有名です。(絶対に食べないで下さい)秋になると実が黒紫色に熟します。

(清教学園内、テニスコート上で7/12に撮影したもの)

「ツユクサ」「ムラサキツユクサ」「トキワツユクサ」

清教学園でもたくさんのツユクサを見かけるようになりました。「ツユクサ」は植物にあまり興味が無い人も知っているかも知れないですね。ちなみにツユクサには花弁が何枚あるか知っていますか?
……答えは3枚です。青色の2枚の下に、白色のものが1枚あります。

また、構造も非常に面白いです。雄しべ(雄蕊)は6本あり、上にX字型をした雄蕊が3本、Y字型をした雄蕊が1本あります。この4本は葯が退化した仮雄蕊と言われています。そしてその下にO字型をした雄蕊が2本あります。雌しべ(雌蕊)は下のO字型をした雄蕊に並んで存在するのですが、下の写真は雌蕊が存在しない雄花です。

誰もが知っているツユクサもその構造は非常に複雑ですね。ツユクサを見かけた際には雄蕊や雌蕊の構造もチェックしてみて下さい。見方が変わりますよ。
ツユクサ(7/15清教学園で撮影)

ムラサキツユクサ(5/15清教学園で撮影) 

トキワツユクサ(4/30堺市自宅周辺で撮影)