2018年5月31日木曜日

スイカズラ

前回投稿の「ウツギ」に続いて、今回も清教学園の隣にある「長野公園」で撮影したものの中からご紹介します。ツツジの木に巻きついていた「スイカズラ」です。スイカズラは「吸葛」と書き、子どもが花を「吸う」かずら(つる性植物を「かずら(葛・蔓)という)であることから名付けられています。

スイカズラの花は「白色」→「黄色」に変化していきます。下の写真にあるように白色と黄色の花が混在して咲くこともあるので「金銀花」と呼ばれたりもします。
 花の形が特徴的で、花冠は5つに分かれていますが、4つは上側に、1つは下側に反り返ります。私たちの「手の指」のようですね!
また、葉も特徴的で、基部についた葉のみ切れ込みがあります。このように1個体に形の異なる葉がつくことを「異形葉(いけいよう)」と言います。(写真では分かりませんが ‥)



2018年5月30日水曜日

ウツギ

以前「マルバウツギ」と「ハコネウツギ」をご紹介しましたが、今回は清教学園のお隣にある「長野公園」で撮影した「ウツギ」をご紹介します。前回の記事でハコネウツギは「スイカズラ科タニウツギ属」、マルバウツギは「ユキノシタ科ウツギ属」であると言いましたが、今回のウツギもマルバウツギと同じ「ユキノシタ科ウツギ属」です。落葉低木なのですが、写真のものでは2〜3m程ありましたね。(写真は5月19日に撮影)



2018年5月29日火曜日

ノアザミ

清教学園の通学路「しらかしの径」より少し道を逸れたところに「ノアザミ」が咲いていました。「アザミ」という言葉はよく聞くと思いますが、単にアザミとする種はなく、咲いていたこの種も「ノアザミ」と呼ばれるものです。
 (写真は5月19日に撮影)

以前「皇帝ダリア」の記事で「筒状花」と「舌状花」について少し説明しました。
(以前の記事はこちら→http://seikyorikabu.blogspot.jp/2017/12/blog-post.html

この筒状花、舌状花の構成はキク科でも様々で面白いです。
ヒマワリやダリア→筒状花と舌状花で構成された花序を持つ。
タンポポ→舌状花のみで構成された花序を持つ。
アザミ→筒状花のみで構成された花序を持つ。

〜筒状花と舌状花の構造〜
図はhttp://www2.odn.ne.jp/had26900/shokubutsu_no_bunrui/morph_var_flowers.htmより引用
ダリアやヒマワリの場合では、舌状花では雄蕊も雌蕊も持たず、筒状花のみ雄蕊と雌蕊を持っています。

2018年5月28日月曜日

アマリリス

清教学園の施設「清教会館」の前にあるシラカシの根元に「アマリリス」が咲いていました。私は「アマリリス」と聞くとアニメ「ちびまる子ちゃん」に登場する人物「みぎわさん」が飼っている「ブルドック」を思い出します。ブルドックに「アマリリス」という名前をつけているのですが、アマリリスと似ても似つかないのが面白いところなのでしょう。(ちなみにアマリリスは古代ローマの詩歌に登場する羊飼いの娘の名前だそう)

以前「シラン」の記事で、花弁が6枚に見えるが、実は3枚は花弁で残り3枚は萼片であるという「内花被」「外花被」の話をしました。このアマリリスも同様です。(科はヒガンバナ科)

2018年5月26日土曜日

ドクダミの構造

前回の投稿で「ドクダミ」には花弁が無いことをご紹介しました。今回はドクダミをルーペで拡大して写真を撮ってみました。
下の写真で花穂の白色に見えるのが雌蕊(めしべ)です。そのまわりにある黄色に見えるのが雄蕊(おしべ)です。拡大して見ると普通に見ているだけでは気づかないものが見えてくるのが面白いですね!

2018年5月25日金曜日

ドクダミ

 清教学園の専用通学路「しらかしの径」の入口、出口付近では多くの「ドクダミ」が咲いています。「毒矯め」(毒を矯める(毒を治す))から「ドクダミ」になったなど、名前の由来には諸説あるようです。

〜植物用語の解説〜
ドクダミには花被(かひ)がありません。このような花を「裸花(らか)」といいます。
※花被は「花冠(かかん)」と「萼(がく)」を合わせたものを指します。
また花冠の1枚1枚を「花弁(花びら)」といい、萼の1枚1枚を「萼片」といいます。

ではドクダミの花に見えるのは何かというと「総苞(そうほう)」です。総苞は花を包んでいる小型の「葉」です。また総苞の1枚1枚を「総苞片」といいます。



2018年5月24日木曜日

トウバナ

清教学園にあるヒマラヤスギの根元に「トウバナ」が咲いていました。このトウバナはどこでも普通に見られる植物で、花がつく様子から「塔花」と名付けられています。花のつく様子を見ると「シソ科」という感じがしますね。
(写真は清教学園で5月15日に撮影)




2018年5月23日水曜日

この植物の名前は??

下の写真は5月18日に清教学園の事務室前で撮影したものです。さて何という植物でしょうか??

私が大学時代、ゼミの教授とこのような会話をした記憶があります。
教授:「この花の名前は?」
私:「知らないです」
教授:「知らん?」
私:「はい。」
教授:「正解!!」
私:(????)

少し「おやじギャグ」のようではありますが、「シラン」という植物です。漢字で書くと「紫蘭」なので名前の由来がよくわかると思います。

さて、ラン科、ヒガンバナ科、アヤメ科などは花弁が6枚あるように見えますが、3枚が本来の花弁で、外側の3枚は萼片(がくへん)が変形したものです。このように花弁と萼片がほぼ同形、同色の花を「等花被」といい、萼片を「外花被」花弁を「内花被」といいます。シランは内花被片の1つが変形した形になっているのがおもしろいですね!

2018年5月21日月曜日

コナスビ

昨年度もヒマラヤスギの根元で小さな花をつけている「コナスビ」を紹介しましたが、今年もコナスビが咲く時期になりました。(写真は清教学園で5月15日に撮影)
果実がナスビに似ていることから「コナスビ」の名がついており、花はナスビとは全く違いますね。(ナスビは紫色の花、コナスビは黄色の花)


昨年のコナスビの記事はこちら↓

2018年5月20日日曜日

マルバウツギ

前々回の投稿で「ハコネウツギ」をご紹介しました。今回はしらかしの径に自生している「マルバウツギ」をご紹介します。

以前ハコネウツギの記事でも紹介しましたが、「ウツギ(空木)」は茎が中空のものを指すため、さまざまな「科」の植物にこの「ウツギ」の名がついています。

ハコネウツギはスイカズラ科タニウツギ属であるのに対し、
マルバウツギはユキノシタ科ウツギ属です。
(以前のハコネウツギの記事はこちら↓)
https://seikyorikabu.blogspot.jp/2018/05/blog-post_18.html

(こちらの写真は校外で撮影したものです。)

(こちらがしらかしの径で撮影したものです。きれいに撮影できなかったため、校外で撮影し直しました。)

2018年5月19日土曜日

ヒメコバンソウ

以前「地味な植物」としてイネ科のカモガヤを紹介しました。今回も見分けやすいイネ科植物を紹介します。
(前回のカモガヤの記事はこちら↓)
http://seikyorikabu.blogspot.jp/2018/05/blog-post_9.html

しらかしの径を上がり、清教会館の隅を見るとこの「ヒメコバンソウ」がたくさん生えています。(写真は清教学園で5月14日に撮影)コバンソウ(小判草)という植物は小穂が「小判」に似ていることからその名がつき、ヒメコバンソウは同じイネ科コバンソウ属でも小穂がより小さい植物です。

コバンソウは清教学園では見当たりませんが、校外ではよく見られます。

2018年5月18日金曜日

ハコネウツギ 

清教学園の正門前に「ハコネウツギ」が咲いていました(5月15日(火)撮影)。「ウツギ」という名前はよく聞くと思います。ウツギは「空木」と書き、茎の真ん中に穴が空いていて「中空」であるのでその名がついています。但し、ウツギという名前は6科に渡って広く使用されており、この「ハコネウツギ」が属するスイカズラ科のタニウツギ属では中空にはなっていません。(ややこしいですね。)
ハコネウツギは咲き始めは白色をしており、だんだんとピンク、紅色へと変化していきます。今は様々な花の色が同時に観察できるので見頃ですね!

ハコネウツギは「箱根」の名がついていますが、箱根にはわずかしか存在しないようです。

2018年5月17日木曜日

トベラ(?)

赤く色付くベニバナトキワマンサクの後ろに、白い花が咲いています。斜面になっていて近づけないのですが「トベラ」のように見えます。(遠くからの写真で見づらいですね)
トベラの名前の由来は、「魔よけ」に利用するために扉に挿す風習からきているそうです。(扉から「トベラ」になったのですね。)

下の写真は大阪市立長居植物園に5月5日に撮影したトベラです。校内で咲いているのはやはり「トベラ」でしょうか?皆さんはどう思われますか??




2018年5月16日水曜日

ハナニガナ

5月15日(火)に校内で植物を観察していると、ニガナが咲いている中に、一つだけ様子が異なる個体を見つけました。舌状花が8枚のハナニガナ(オオバナニガナ)です。ハナニガナはニガナの変種で、図鑑にもニガナの説明文の中にハナニガナの説明が含まれていました。また別の図鑑には「ハナニガナはニガナに散発的に混じって生える」とも記載されていました。

以前の「ニガナ」の記事はこちら↓
http://seikyorikabu.blogspot.jp/2018/04/blog-post_23.html

筒状花・舌状花の説明を含んだ「皇帝ダリア」の記事はこちら↓
http://seikyorikabu.blogspot.jp/2017/12/blog-post.html

2018年5月15日火曜日

カタバミ

写真は5月1日に清教学園で撮影したカタバミです。カタバミは至るところで見られるので皆さんも知っていると思います。カタバミはハート型の葉をしているのが特徴で、葉が欠けているように見えることから「片喰み(カタバミ)」の名がついたと言われています。葉が赤いものは「アカカタバミ」と言います。カタバミ科の植物はシュウ酸を含むので、噛むと酸味があるのも特徴です。
 葉はシロツメクサと同じ「三出複葉」ですね。

2018年5月14日月曜日

ハハコグサ

5月9日、高校生のロッカーゾーンの前に「ハハコグサ」が咲いていました。ハハコグサ(母子草)は、全体に白い毛で覆われているところから、母親が子どもを包んでいる様子に例えられ、この名がついたという説もあります。またハハコグサは春の七草の一つ「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」の「ハコベラ」です。

「ハハコグサ」の他に、「チチコグサ」 「チチコグサモドキ」「タチチチコグサ」などの種類もあります!

2018年5月11日金曜日

ハルジオン

写真は4月24日に清教学園で撮影したものです。「ハルジオン」は知っている人も多いと思います。よく「ハルジオン・ヒメジオン」と言ったり、「ハルジョオン・ヒメジョオン」と言ったりしますが、どれが正しいのでしょうか??

ハルジオンは漢字で書くと「春紫苑」です。よく似た植物で「ヒメジョオン」がありますが、こちらは漢字で書くと「姫女苑」です。よってヒメジオンというのは間違いなんですね。ただ、ヒメジョオンに対比して「春女苑」と呼ばれたりもするのでハルジョオンは間違いではないようです。

図鑑で調べてみても、ハルジオン(ハルジョオン)、ヒメジョオンという記載になっていました。また私の大学時代の植物の先生は「ハルジョオン」「ヒメジョオン」という言葉を使用していました。

2018年5月9日水曜日

カモガヤ

被子植物の単子葉類に属する「イネ科」は「小穂(しょうすい)」と呼ばれる花をつけます。花らしい花ではないため、生徒の皆さんにとっては「地味な植物」であり、あまり人気がないようです。また見分けも非常に難しいです。
(写真は清教学園で5月1日に撮影)
それでもこの植物は知っているのではないでしょうか?カモガヤ(オーチャードグラス)です。牧草としてアメリカから導入されたものが広がり、現在では「日本の侵略的外来生物ワースト100」に指定されているほどです。スギやヒノキの次に花粉症が多いとも言われているので、群生場所では花粉症対策のために焼き払ったりすることもあるようです。

清教学園では群生している場所はないようなので、花粉症の人にとっては安心ですね。


2018年5月8日火曜日

アメリカフウロ

清教学園の「しらかしの径(みち)」を登った先、道の脇のコンクリートの隙間に「アメリカフウロ」が生えていました。毎年この場所で咲いているのを見かけます。アメリカフウロは北アメリカ原産の帰化植物で、よく見かける植物です。

アメリカフウロの果実は先端が尖っているのでよく目立つようになります。また果実の基部に5つの種子が入った袋があり、熟すと果実は下から割れて反り返り、種子が自動散布されます。「カラスノエンドウ」も果実が熟してそろそろ自動散布をする頃なので、また自動散布の様子を動画で撮影して、このブログでお見せしたいですね!



(写真は4月27日に清教学園で撮影)




2018年5月7日月曜日

ムラサキツユクサ

4月24日に食堂前で「ムラサキツユクサ」が咲いていました。写真では少しわかりにくいかも知れませんが、ムラサキツユクサには花弁が3枚、雄蕊が6本、雌蕊が1本あります。雄蕊の花糸は細胞が一列に並んでいるのでよく「原形質流動」や「体細胞分裂」の観察に用いられます。また若いつぼみの中にある葯は「減数分裂」の観察にも用いられます。
また時間がある時に理科部で観察してみようと思います!


昨年度のツユクサ、ムラサキツユクサ、トキワツユクサの記事はこちら↓


あとで雄蕊の花糸を顕微鏡で観察したものがこちら↓
細胞が一列に並んでいますね!



2018年5月2日水曜日

シュロ

昨年度も紹介したこの「シュロ」ですが、今年度も今の時期に花を咲かせています。(下の写真は4月24日に清教学園で撮影)いつ見てもおもしろい姿をしていますね!
昨年度の記事はこちら↓
http://seikyorikabu.blogspot.jp/2017/07/blog-post_17.html
清教学園はキリスト教主義の学校ですが、聖書の中にも実はこの「シュロ」が登場するのをご存知でしょうか?「ヨハネの黙示録7章9節」にはこう書かれています。
「その後、わたしが見ていると、見よ、あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、数えきれないほどの大勢の群衆が、白い衣を身にまとい、しゅろの枝を手に持って、御座と小羊の前に立ち‥‥」
ここで登場する「しゅろ」は「ナツメヤシ」を指しており、当時、ヤシ科の植物で「シュロ」以外は知られていなかったのでこう訳されたそうです。ナツメヤシの葉は鳥の羽のようになっており、祝い事に用いられたそうです。







2018年5月1日火曜日

オニタビラコ

「オニタビラコ」をたくさん見かけるようになりました。清教学園でもタンポポよりもオニタビラコの方が多いのでは?というほどたくさん生えています。タンポポとオニタビラコの見分けは昨年度の記事で説明していますのでチェックしてみて下さい↓
http://seikyorikabu.blogspot.jp/2017/07/blog-post_86.html


(写真は4月に24日に清教学園で撮影)

「オニタビラコ」の名前の由来ですが、まず「タビラコ」という植物があります。(春の七草にホトケノザがありますが、あれは現在ホトケノザで呼ばれているものではなく、このタビラコを指します。)タビラコは地面を這うように広がっていくので「田平子」の名前がついており、オニタビラコ全体的に大きいことからそれに「鬼」の名前がついています。ただし、オニタビラコは茎が直立し、タビラコのように地面を這うようには広がっていきません。